2019年の獲得賞金・対局料ベスト10のランキング発表
本日、日本将棋連盟より2019年の賞金ランキングベスト10が発表された。
第1位は名人と竜王を同年度に獲得した豊島竜王名人となり、続いて広瀬八段、渡辺三冠と続く形となった。
本サイトではトップ10を事前に予想していたが(記事)、上位の順位誤差はあったものの選出された10名は全て想定通りの棋士となった。
なお、公式発表されたこの賞金ランキングを踏まえ、2020年に行われる第40回JT杯将棋日本シリーズの出場棋士(計12名)について考察する。
第41回JT杯将棋日本シリーズ
将棋日本シリーズの詳細は以下の通り
- 7~11月頃にかけて行われる公式棋戦
- 出場資格はタイトルホルダー及び前年賞金ランキング上位棋士を加えた計12名のみ参加
- 公開対局のトーナメント棋戦で優勝賞金は500万円、準優勝賞金は150万円
今年の第40回JT杯将棋日本シリーズは、先日発表された2019年賞金ランキングが適用される。2020年のJT杯日本シリーズに出場が確定してる棋士は以下の10名。
- 渡辺三冠(前年度覇者)
- 豊島竜王名人(竜王・名人)
- 永瀬二冠(叡王・王座)
- 木村王位(王位)
- 広瀬八段(賞金2位)
- 羽生九段(賞金5位)
- 佐藤天九段(賞金6位)
- 久保九段(賞金8位)
- 藤井七段(賞金9位)
- 斎藤七段(賞金10位)
※タイトル保持者の確定は2019年2月末日時点であるが、期日以内のタイトル移動の可能性は無し。
最年少棋士の藤井聡太七段は昨年に続き2年連続のJT杯出場となった。
上記の10名に、さらに2名を加えた12名が本棋戦の出場棋士となる。
将棋連盟では上位10名までの棋士しか公式発表していないため、本サイトにおいて賞金ランキング20位までの棋士を選出し、本棋戦の出場棋士を考察する。
2019年獲得賞金ランキングベスト20
過去のランキングをもとにベスト20(11位~20位)の暫定獲得賞金ランキングを以下の条件でまとめた。
- 集計期間は2019年1月1日~2019年12月31日
- 確定している各棋戦の対局料と賞金額を合算
- 未公表の対局料および各棋戦賞金額は想定金額にて計算
- 合計金額は連盟の公表データに基づいて、”集計期間内に棋士に支払われた金額”としている(例:第31期竜王戦賞金は2019年分として加算)
【2019年獲得賞金ベスト20】※11位以降想定
順位 | 名前 | 額 | 主な実績 | 2018年順位 |
---|---|---|---|---|
1 | 豊島二冠 | 7157万円 | 名人、銀河、竜王 | 4 |
2 | 広瀬八段 | 6984万円 | 第31期竜王、棋王挑戦 | 5 |
3 | 渡辺三冠 | 6514万円 | 棋王、王将、棋聖、JT | 3 |
4 | 永瀬二冠 | 4678万円 | 叡王、王座 | 18 |
5 | 羽生九段 | 3999万円 | 第30期竜王、NHK杯 | 1 |
6 | 佐藤天九段 | 3687万円 | 第76期名人、竜王2組 | 2 |
7 | 木村王位 | 3209万円 | 王位、竜王挑決 | 27 |
8 | 久保九段 | 2178万円 | 第67期王将 | 7 |
9 | 藤井七段 | 2108万円 | 朝日杯、竜王4組 | 12 |
10 | 斎藤七段 | 1868万円 | 第66期王座 | 8 |
順位 | 名前 | 額 | 主な実績 | 2018年順位 |
11 | 郷田九段 | 1650万円 | NHK杯準優勝 | – |
12 | 菅井七段 | 1600万円 | 叡王戦挑決 | 9 |
13 | 高見七段 | 1500万円 | 第3期叡王 | 6 |
14 | 三浦九段 | 1400万円 | 棋王戦ベスト4 | 11 |
15 | 糸谷八段 | 1350万円 | 王将リーグ | – |
16 | 稲葉八段 | 1350万円 | 王位リーグ | – |
17 | 深浦九段 | 1250万円 | JT杯ベスト4 | 10 |
18 | 佐藤康九段 | 1200万円 | – | – |
19 | 鈴木大九段 | 1200万円 | 竜王戦3組優勝 | – |
20 | 千田七段 | 1150万円 | 朝日杯ベスト4 | – |
第10位までは連盟公式発表の通り。
第11位はNHK杯で準優勝に輝いた郷田真隆九段、第12位は叡王戦や棋聖戦でも上位に進出した菅井竜也七段となっている。以降、高見七段、三浦九段、糸谷八段、稲葉八段、深浦九段、佐藤康九段、鈴木大九段、千田七段と続いている。
JT杯出場棋士の残りの2名は11位の郷田九段と12位の菅井七段になる可能性が現時点で非常に高い。
なお、実際の出場棋士の紹介は例年4月頃となっている。
(※2020年4月更新)
第40回JT杯出場棋士が発表され、ベスト10以降は菅井七段と高見七段が選出となった。