2021年の獲得賞金・対局料ベスト10のランキング発表
日本将棋連盟より2021年の賞金ランキングベスト10が発表された。
→ 2021年獲得賞金・対局料ベスト10(将棋連盟)
第1位は2021年の名人、棋王、王将をいずれも防衛した渡辺名人が2017年以来の賞金王となった。第2位は前期竜王戦覇者でJT杯も制した豊島九段、第3位には棋聖、王位、叡王、そして竜王と4冠を獲得した藤井竜王が初のベスト3入りとなった。
本サイトでは2021年度ベスト10の予想を事前に行っていた(記事)。比較すると金額の誤差はあったものの、昨年に続き今年も上位10名の棋士は全て想定通りの結果となった。
公式発表されたこの本ランキングを踏まえ、2022年に行われる第43回JT杯将棋日本シリーズの出場棋士(計12名)について考察する。
第42回JT杯将棋日本シリーズ
将棋日本シリーズの詳細は以下の通り
- 7~11月頃にかけて行われる公式棋戦
- 出場資格者は1.前年度覇者、2.タイトルホルダー、3.賞金ランキング上位棋士を加えた計12名のみが参加
- 公開対局のトーナメント棋戦で優勝賞金は500万円、準優勝賞金は150万円(※いずれも公表金額にて記載)
今年のJT杯将棋日本シリーズは、2021年の賞金ランキングが適用されるため、以下の10名の棋士の出場が確定した。
- 豊島九段(前年度覇者)
- 藤井竜王(竜王・王位・叡王・棋聖)
- 渡辺名人(名人・棋王・王将)
- 永瀬王座(王座)
- 羽生九段(賞金5位)
- 齋藤八段(賞金6位)
- 木村九段(賞金7位)
- 糸谷八段(賞金8位)
- 稲葉八段(賞金9位)
- 菅井八段(賞金10位)
※タイトル保持者の確定は2022年2月末日時点であるが、期日内での出場者変更の可能性は無し
上記の10名に、さらに2名を加えた12名が本棋戦の出場棋士となる。
将棋連盟では上位10名までの棋士しか公式発表していないため、本サイトにおいて賞金ランキング20位までの棋士を選出し、本棋戦の出場棋士を考察する。
2021年獲得賞金ランキングベスト20
過去のランキングをもとにベスト20(11位~20位)の暫定獲得賞金ランキングを以下の条件でまとめた。
- 集計期間は2021年1月1日~2021年12月31日
- 確定している各棋戦の対局料と賞金額を合算
- 未公表の対局料および各棋戦賞金額は想定金額にて計算
- 合計金額は連盟の公表データに基づいて、”集計期間内に棋士に支払われた金額”としている(例:2021年度の竜王戦賞金は2022年分として加算)
【2021年獲得賞金ベスト20】※11位以降想定
順位 | 名前 | 額 | クラス | 主な実績 | 昨年順位 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 渡辺明 | 8194万円 | 名人 | 名人、棋王、王将、棋聖挑戦 | 2位 |
2位 | 豊島将之 | 8145万円 | A級 | 前竜王、王位挑戦、JT杯優勝 | 1位 |
3位 | 藤井聡太 | 6996万円 | B1 | 王位、叡王、棋聖、(竜王) | 4位 |
4位 | 永瀬拓矢 | 4821万円 | A級 | 王座、竜王挑決、王将挑戦 | 3位 |
5位 | 羽生善治 | 3236万円 | A級 | 前期竜王挑戦、竜王1組4位 | 6位 |
6位 | 斎藤慎太郎 | 2567万円 | A級 | 名人挑戦、NHK杯準優勝 | 16位 |
7位 | 木村一基 | 2245万円 | B1 | 王座挑戦 | 8位 |
8位 | 糸谷哲郎 | 1876万円 | A級 | 棋王挑戦 | 11位 |
9位 | 稲葉陽 | 1703万円 | B1 | NHK杯優勝 | 14位 |
10位 | 菅井竜也 | 1674万円 | A級 | 銀河戦優勝 | 13位 |
順位 | 名前 | 額 | クラス | 主な実績 | 昨年順位 |
11位 | 佐藤康光 | 1510万円 | A級 | 王座挑決、棋王戦ベスト4 | – |
12位 | 佐藤天彦 | 1500万円 | A級 | NHK杯ベスト4、竜王1組5位 | – |
13位 | 山崎隆之 | 1480万円 | A級 | 棋聖戦ベスト4、竜王1組3位 | – |
14位 | 三浦弘行 | 1400万円 | B1 | 朝日杯準優勝 | – |
15位 | 広瀬章人 | 1330万円 | A級 | 王将リーグ、JT杯 | – |
16位 | 久保利明 | 1310万円 | B1 | 竜王1組2位、JT杯 | – |
17位 | 近藤誠也 | 1230万円 | B1 | 王将リーグ | – |
18位 | 梶浦宏孝 | 1140万円 | C2 | 竜王戦ベスト4 | – |
19位 | 八代弥 | 1110万円 | C2 | 竜王戦ベスト4 | – |
20位 | 千田翔太 | 1090万円 | B1 | JT杯 | – |
※カッコ内は期間内未加算のタイトル
第10位までは連盟公式発表の通り。
第11位は王座戦で挑決まで進んだ佐藤康九段、第12位は竜王戦やNHK杯で活躍した佐藤天九段となっている。以降、山崎八段、三浦九段、広瀬八段、と続いている。
JT杯出場棋士の残りの2名は11位の佐藤康九段と12位の佐藤天九段になる可能性が高いが、山崎八段、三浦九段あたりまでは、入れ替わり選出の可能性もある。
なお、実際の出場棋士紹介は例年4月頃となっている。
※5/13 追記
2022年度の出場棋士の残り2名は佐藤康九段、山崎八段に確定した。