2020年の獲得賞金・対局料ベスト10のランキング発表
本日、日本将棋連盟より2020年の賞金ランキングベスト10が発表された。
第1位は竜王位を防衛し、叡王戦も奪取、さらに名人戦も戦った豊島竜王となり、続いて渡辺名人、永瀬王座と続く形となった。4位の藤井二冠も含めて上位は現タイトルホルダーが独占する形となった。
本サイトでは2020年度ベスト10の事前予想を行っていたが(記事)、金額誤差はあったものの上位10名の棋士は全て想定通りとなった(金額誤差分については次期以降のランキングで補正予定)。
なお、公式発表されたこの賞金ランキングを踏まえ、2021年に行われる第42回JT杯将棋日本シリーズの出場棋士(計12名)について考察する。
第42回JT杯将棋日本シリーズ
将棋日本シリーズの詳細は以下の通り
- 7~11月頃にかけて行われる公式棋戦
- 出場資格はタイトルホルダー及び前年賞金ランキング上位棋士を加えた計12名のみ参加
- 公開対局のトーナメント棋戦で優勝賞金は500万円、準優勝賞金は150万円(※いずれも公表金額にて記載)
今年の第42回JT杯将棋日本シリーズは、2020年の賞金ランキングが適用される。2021年のJT杯日本シリーズに出場が確定してる棋士は以下の10名。
- 豊島竜王(前年度覇者)
- 渡辺名人(名人・棋王・王将)
- 藤井二冠(王位・棋聖)
- 永瀬王座(王座)
- 広瀬八段(賞金5位)
- 羽生九段(賞金6位)
- 久保九段(賞金7位)
- 木村九段(賞金8位)
- 丸山九段(賞金9位)
- 千田七段(賞金10位)
※タイトル保持者の確定は2021年2月末日時点であるが、期日以内のタイトル移動の可能性は無し
上記の10名に、さらに2名を加えた12名が本棋戦の出場棋士となる。
将棋連盟では上位10名までの棋士しか公式発表していないため、本サイトにおいて賞金ランキング20位までの棋士を選出し、本棋戦の出場棋士を考察する。
2020年獲得賞金ランキングベスト20
過去のランキングをもとにベスト20(11位~20位)の暫定獲得賞金ランキングを以下の条件でまとめた。
- 集計期間は2020年1月1日~2020年12月31日
- 確定している各棋戦の対局料と賞金額を合算
- 未公表の対局料および各棋戦賞金額は想定金額にて計算
- 合計金額は連盟の公表データに基づいて、”集計期間内に棋士に支払われた金額”としている(例:第33期竜王戦賞金は2021年分として加算)
【2020年獲得賞金ベスト20】※11位以降想定
順位 | 名前 | 額 | 主な実績 | 2019年順位 |
---|---|---|---|---|
1 | 豊島竜王 | 1億645万円 | 竜王、叡王、JT優勝 | 1 |
2 | 渡辺名人 | 8043万円 | 名人、棋王、王将 | 3 |
3 | 永瀬王座 | 4621万円 | 王座、第4期叡王、JT準優勝 | 4 |
4 | 藤井二冠 | 4554万円 | 王位、棋聖、銀河 | 9 |
5 | 広瀬八段 | 3241万円 | 第31期竜王、王将挑戦 | 2 |
6 | 羽生九段 | 2491万円 | 竜王挑戦 | 5 |
7 | 久保九段 | 2421万円 | 王座挑戦、竜王戦ベスト4 | 8 |
8 | 木村九段 | 2338万円 | 第60期王位 | 7 |
9 | 丸山九段 | 1926万円 | 竜王戦挑決 | 24 |
10 | 千田七段 | 1692万円 | 朝日杯優勝 | 21 |
順位 | 名前 | 額 | 主な実績 | 2019年順位 |
11 | 深浦九段 | 1560万円 | NHK杯優勝 | – |
12 | 糸谷八段 | 1550万円 | 銀河戦準優勝、A級 | – |
13 | 稲葉八段 | 1530万円 | NHK杯準優勝、王位L、A級 | – |
14 | 斎藤八段 | 1480万円 | JT杯ベスト4、A級 | 10 |
15 | 佐藤天九段 | 1440万円 | 棋聖戦ベスト4、A級 | 6 |
16 | 三浦九段 | 1300万円 | 銀河戦ベスト4、A級 | – |
17 | 菅井八段 | 1250万円 | 王位リーグ、A級 | 11 |
18 | 佐藤康九段 | 1240万円 | 竜王戦1組4位、A級 | – |
19 | 本田五段 | 1150万円 | 棋王挑戦、王位リーグ | – |
20 | 行方九段 | 1100万円 | NHK杯ベスト4 | – |
第10位までは連盟公式発表の通り。
第11位はNHK杯で優勝に輝いた深浦九段、第12位は銀河戦等で実績を残した糸谷八段となっている。以降、稲葉八段、斎藤八段、佐藤天九段、三浦九段、菅井八段、佐藤康九段、本田五段、行方九段と続いている。
JT杯出場棋士の残りの2名は11位の深浦九段と12位の糸谷八段になる可能性が高いが、15位の佐藤天九段辺りまでは非常に僅差の為、入れ替わり選出される可能性もある。
なお、実際の出場棋士の紹介は例年4月頃となっている。
(※2021/4/16 追記)
第42期JT杯日本シリーズの追加選出は、想定通り糸谷八段と深浦九段となった