2018年の獲得賞金・対局料ベスト10のランキング発表
先日、日本将棋連盟より2018年の賞金ランキングベスト10が発表された。
→ 羽生善治九段が2年ぶり1位 2018年獲得賞金・対局料ベスト10
第1位は第30期の竜王位を獲得した羽生九段となり、続いて佐藤名人、渡辺棋王と続く形となった。
本サイトでは、以前より2018年暫定の賞金ランキングを掲載していたが、多少の誤差はあったもののほぼ予想通りの結果となった。
なお、公式発表された2018年の賞金ランキングを踏まえ、2019年に行われる第40回JT杯将棋日本シリーズの出場棋士について予想する。
第40回JT杯将棋日本シリーズ
将棋日本シリーズとは以下のような棋戦である。
- 7~11月頃にかけて行われる公式棋戦
- 出場資格はタイトルホルダー及び前年賞金ランキング上位棋士を加えた計12名のみ参加
- 公開対局のトーナメント棋戦で優勝賞金は500万円、準優勝賞金は150万円
今年の第40回JT杯将棋日本シリーズは、先日発表された2018年賞金ランキングが適用される。2019年のJT杯日本シリーズに出場が確定してる棋士は以下の10名。
- 渡辺棋王(前年度覇者)
- 広瀬竜王(竜王)
- 佐藤名人(名人)
- 豊島二冠(王位・棋聖)
- 高見叡王(叡王)
- 斎藤王座(王座)
- 久保王将(王将)
- 羽生九段(賞金1位)
- 菅井七段(賞金9位)
- 深浦九段(賞金10位)
※タイトル保持者の確定は2019年2月末日時点となる。
※王将戦のみ上記期間までにタイトル奪取の可能性があるが、その場合も上記出場者に変更はない。
上記の10名に、さらに2名を加えた12名が本棋戦出場棋士となるが、将棋連盟では上位10名までの棋士しか公式発表していない。そのため本サイトにおいて、賞金ランキング20位までの棋士を選出し、本棋戦の出場棋士を予想する。
2018年獲得賞金<ベスト20>と第40回JT杯出場棋士予想
過去のランキングをもとにベスト20(11位~20位)の暫定獲得賞金ランキングを以下の条件でまとめた。
- 集計期間は2018年1月1日~2018年12月31日
- 確定している各棋戦の対局料と賞金額を合算
- 未公表の対局料および各棋戦賞金額は想定金額にて計算(※2018年の公式ランキングを元に想定金額を再調整)
- 合計金額は連盟の公表データに基づいて、”集計期間内に棋士に支払われた金額”としている(例:第30期竜王戦賞金は2018年分として加算)
【2018年獲得賞金・対局料ベスト20(想定)】※11~20位まで
順位 | 名前 | 額 | 主な実績 | 2017年順位 |
---|---|---|---|---|
第11位 | 三浦弘行九段 | 2100万円 | A級、竜王2組、棋聖挑決 | – |
第12位 | 藤井聡太七段 | 2000万円 | 朝日杯、竜王5組、新人王 | – |
第13位 | 山崎隆之八段 | 1700万円 | NHK杯優勝 | – |
第14位 | 稲葉陽八段 | 1600万円 | A級、NHK杯準優勝 | 6位 |
第15位 | 金井恒太六段 | 1500万円 | 叡王戦準優勝 | – |
第16位 | 永瀬拓矢七段 | 1450万円 | 棋王挑戦 | – |
第17位 | 中村太地七段 | 1450万円 | 65期王座 | 8位 |
第18位 | 行方尚史八段 | 1350万円 | 銀河戦準優勝 | – |
第19位 | 佐藤康光九段 | 1300万円 | A級、竜王1組5位 | 10位 |
第20位 | 糸谷哲郎八段 | 1300万円 | A級、王将リーグ | – |
第11位は、現役A級棋士の三浦弘行九段となっている。竜王戦2組で優勝後、そのまま竜王戦本戦でもベスト4まで進出し、さらに棋聖戦で挑決進出、棋王戦でもベスト4まで進んだ実績がある。
第12位は藤井聡太七段となっている。昨年2月の朝日杯将棋オープン戦優勝、10月の新人王戦優勝の2つの棋戦優勝に加えて、竜王戦の5組優勝から本戦トーナメント2回戦進出、王座戦での本戦ベスト4進出、棋王戦本戦進出、叡王戦本戦進出と各棋戦で好成績を収めた。
13位以降は、第67回NHK杯の決勝を戦った山崎八段と稲葉八段、叡王戦で初のタイトル戦を戦った金井六段、棋王戦で渡辺棋王に挑んだ永瀬七段、王座戦でタイトル失陥となった中村七段、銀河戦で準優勝した行方八段、A級棋士で竜王戦本戦にも進んだ佐藤康光九段、初のA級入りを果たし王将リーグも戦った糸谷八段と続いている。
上記のデータより、JT杯出場棋士の残りの2名は、三浦九段と藤井七段になる可能性が高い。
なお、実際の出場棋士の紹介は例年4月頃(棋戦開催は7~11月頃)となっているため、上記内容を踏まえて出場棋士および棋戦開催に注目していきたい。