2021/2/5 更新
→ 2020年賞金ランキングベスト20と2021年度JT杯出場棋士
2020年の獲得賞金・対局料の暫定ランキング
日本将棋連盟では毎年棋士の獲得賞金をランキングで発表しているが、同様の方式で2020年の賞金ランキングを集計した。
ちなみに2019年の賞金ランキングは以下の通り。
なお本サイトでは昨年のベスト20位までの順位も集計している。
今年2020年に関しても、過去のランキングをもとに現時点で想定される暫定獲得賞金ランキングを以下の条件でまとめた。
- 集計期間は2020年1月1日~2020年12月12日
- 現時点までに確定している各棋戦の対局料と賞金額を合算
- 未公表の対局料および各棋戦賞金額は想定金額にて計算
- 合計金額は連盟の公表データに基づいて、”集計期間内に棋士に支払われた金額”としている(例:第32期竜王戦賞金は2020年分として加算)
【2020年獲得賞金・対局料ベスト10(想定)】
順位 | 名前 | 額 | 主な実績 | 昨年順位 |
---|---|---|---|---|
第1位 | 豊島将之竜王 | 1億100万円 | 竜王、叡王、JT優勝 | 1位 |
第2位 | 渡辺明名人 | 7300万円 | 名人、棋王、王将 | 3位 |
第3位 | 永瀬拓矢王座 | 4600万円 | 王座、第4期叡王、JT準優勝 | 4位 |
第4位 | 藤井聡太二冠 | 4350万円 | 王位、棋聖、銀河 | 9位 |
第5位 | 広瀬章人八段 | 3700万円 | 第31期竜王、王将挑戦 | 2位 |
第6位 | 羽生善治九段 | 2550万円 | 竜王挑戦 | 5位 |
第7位 | 久保利明九段 | 2200万円 | 王座挑戦、竜王戦ベスト4 | 8位 |
第8位 | 丸山忠久九段 | 2050万円 | 竜王戦挑決 | – |
第9位 | 木村一基九段 | 2050万円 | 第60期王位 | 7位 |
第10位 | 千田翔太七段 | 1700万円 | 朝日杯優勝 | – |
第1位は竜王を保持し、叡王戦もフルセットの末奪取に成功した豊島将之竜王となっている(※第32期竜王戦賞金は2020年分として加算)。名人戦にも出場し、JT杯日本シリーズでも見事優勝を果たした。想定獲得賞金は1億円を超え、今年の賞金王をほぼ確実とした。また第33期竜王戦でも防衛を果たしたため、来年のランキングでも上位進出が想定される。
第2位は、期王、王将を防衛し、第78期名人戦で初の名人獲得も達成した渡辺明名人となっている。
第3位には、王座戦をフルセットで制し、初防衛を決めた永瀬拓矢王座が入っている。叡王戦の番勝負に加え、王位戦や棋聖戦などでもタイトル挑決まで進み、各棋戦で上位に進出している。
史上最年少で棋聖、王位を立て続けに奪取した藤井聡太二冠は第4位となっている。棋聖戦にて初のタイトルを獲得し、王位戦も制して二冠となった。他にも銀河戦での初優勝、竜王戦での4期連続ランキング戦優勝や順位戦昇級など、あらゆる棋戦で好成績を収めている。タイトルホルダーとなったため、来期第42回JT杯への出場も確定した。
賞金額の算出について
各棋戦の賞金額については、竜王戦等の金額が公表されている棋戦と、未公表の棋戦がある。未公表の棋戦の賞金および対局料合算金額(以下、賞金合算金額で統一)については、過去5年間の賞金ランキング(将棋連盟公式発表)より逆算し、算出額を対象年の金額と推定して計算を行っている。
未公表も含めた各タイトル棋戦の賞金合算金額は以下のようになっている。前者の金額はタイトル戦勝者。カッコ内はタイトル戦敗者。
竜王戦:4400万円(1650万円)
名人戦:3350万円(1200万円)※名人
名人戦:3000万円(900万円)※挑戦者
叡王戦:2000万円(950万円)
王位戦:1250万円(700万円)
王座戦:1250万円(700万円)
棋王戦:1250万円(500万円)
王将戦:1000万円(450万円)
棋聖戦:1000万円(450万円)
一般棋戦の賞金合算金額は以下のようになっている。前者は優勝者、カッコ内は準優勝者。
朝日杯:750万円(350万円)
JT杯:600万円(250万円)
銀河戦:500万円(200万円)
NHK杯:500万円(200万円)
また、上記以外にも各棋戦の勝ち上がり状況(本戦、二次予選、一次予選等)、順位戦所属クラス、年間対局数、等から推定金額を個別に細かく算出し、各棋士で合計金額の算出を行っている。
コメント
[…] まだ2020年度が終わっていませんので、公式な発表はされていませんが藤井聡太プロの2020年度の獲得賞金額は4,350万円(推定)になるようです。細かい計算は『2021年プロ将棋公式戦データまとめ』さんの記事を見るとよくわかります。 […]